こんにちは!今日から確率というテーマを学んでいきます。
難しく感じるかもしれませんが、野球のデータを例にすると、実はすごく身近な考え方だと分かりますよ。
⚾ 1試合で1点も取れない確率
1. 前提の確認
まずは、2025年のプロ野球のデータを見てみよう。
下記表は1イニングが0点の可能性は78.52%、1点の可能性は12.49%ということをあらわしている。
得点 | 確率 |
0 | 78.52% |
1 | 12.49% |
2 | 5.16% |
\(\vdots\) | \(\vdots\) |
1イニングで0点の確率は下記のように表記されます。
$$\text{P}(\text{1イニングで0点}) = 78.52\% = 0.7852$$
2. 確率の計算ルール(独立試行)
1試合で1点も取れない(0点に終わる)ということは、次の全ての条件を満たす必要がある。
- 1回表(または裏)で0点 \(\rightarrow\) 確率 \(P_1 = 0.7852\)
- 2回表(または裏)で0点 \(\rightarrow\) 確率 \(P_2 = 0.7852\)
- 3回で0点 \(\rightarrow\) 確率 \(P_3 = 0.7852\)
- \(\vdots\)
- 9回で0点 \(\rightarrow\) 確率 \(P_9 = 0.7852\)
通常、各イニングの得点結果は、他のイニングの結果に影響を与えないと考えます。これを独立試行といいます。
独立試行が連続して起こる確率(全ての事象が同時に起こる確率)は、それぞれの確率を掛け合わせることで求められます。
$$\text{P}(\text{1試合で0点}) = P_1 \times P_2 \times P_3 \times \dots \times P_9$$
3. 計算
9イニング全てで0点に終わる確率は、1イニング0点の確率を9回掛け合わせる(9乗する)ことで計算できる。
$$\text{P}(\text{1試合で0点}) = (0.7852)^9$$
この計算を行うと…
$$\text{P}(\text{1試合で0点}) \approx 0.11345473306$$
4. 結果の説明
計算の結果、1試合で1点も取れない確率は約 0.1135、つまり約 11.35% となります。
これは、プロ野球において約10試合に1試合は、完封負けを喫する可能性があることを示しています。
💡 野球との関連付け
- 1イニングで見ると、約8割で点が取れない(78.52%)。
- 9イニング通して見ると、点が取れない可能性は1割程度(11.3%)まで下がる。
この差は、「イニングを重ねるごとに、いつかはチャンスが巡ってくる」という野球の特性を示している。
⚾ 1試合で「ちょうど1点」しか取れない確率
次に、1試合で1点しから取れない確率を計算してみます。
「1試合で1点しか取れない確率」を計算するには、「どのイニングでその1点を取るか」という9通りのパターンを考慮する必要があります。
1. 使用する確率(前提)
まず、計算に必要な2つの確率を確認します。
- P(1点):1イニングでちょうど1点を取る確率$$\text{P}(\text{1点}) = 12.49\% = \mathbf{0.1249}$$
- P(0点):1イニングで0点に終わる確率$$\text{P}(\text{0点}) = 78.52\% = \mathbf{0.7852}$$
2. 事象の分析とパターンの特定
「1試合(9イニング)で合計1点」になる事象は、「9イニングのうち、特定の1イニングだけが1点を挙げ、残りの8イニングは全て0点に終わる」というパターンしかありません。
この「1点」を取るイニングの場所は、1回から9回のうちのどれかなので、全部で9通りのパターンが考えられます。
パターン | 1回 | 2回 | 3回 | … | 9回 |
例 1 | 1点 (0.1249) | 0点 (0.7852) | 0点 (0.7852) | … | 0点 (0.7852) |
例 2 | 0点 (0.7852) | 1点 (0.1249) | 0点 (0.7852) | … | 0点 (0.7852) |
例 9 | 0点 (0.7852) | 0点 (0.7852) | 0点 (0.7852) | … | 1点 (0.1249) |
3. 計算式
各イニングの結果は独立しているため、特定の1パターンの確率は、それぞれのイニングの確率を掛け合わせることで求まります。
例えば、「1回で1点、2回〜9回で0点」になる確率は、
$$\text{P}(\text{特定の1パターン}) = \text{P}(\text{1点}) \times \text{P}(\text{0点})^8$$
そして、9つのパターンは互いに排反(同時に起こらない)なので、全体の確率は9つのパターンの確率を合計したものになります。
$$\text{P}(\text{1試合で1点}) = 9 \times [ \text{P}(\text{1点}) \times \text{P}(\text{0点})^8 ]$$
4. 計算結果
この式に数値を代入して計算します。
- まず、0点の確率を8回掛け合わせる:$$(0.7852)^8 \approx 0.14449150925$$
- 特定の1パターンの確率を計算する:$$0.1249 \times 0.14449150925\approx 0.0180469895$$
- 9パターンの合計を計算する:$$9 \times 0.0180469895\approx \mathbf{0.16242290555}$$
したがって、1試合でちょうど1点しか取れない確率は 16.24% です。
✅ 結果の解釈と野球への応用
今回の振り返りです。
事象 | 確率 | 解釈 |
1イニングで0点 | 78.52% | ほとんどのイニングは無得点で終わる。 |
1試合で0点 (完封負け) | 11.35% | 約10試合に1回は無得点。 |
1試合で1点 (1-0勝利/敗北) | 16.24% | 約6試合に1回は、合計1点しか入らないロースコアの試合になる。 |
1試合で0点と1点時の公式
\(P(1試合で0点)=P(0)^9\)
\(P(1試合で1点)=9×P(1)^1×P(0)^8\)
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