前回は1試合で0点になる確率と1点になる確率を計算したので、今回は1試合でちょうど2点になる確率を計算したいと思います。
⚾ 1試合で「ちょうど2点」しか取れない確率
1. 1イニングあたりの得点別確率
計算に必要な確率を再確認します。下記は2025年のプロ野球のデータで、1イニングあたりに得点ごとの確率です。
得点 | 確率 |
0点 | 78.52%=0.7852 |
1点 | 12.49%=0.1249 |
2点以上 | 5.16% =0.0516 |
2. 事象の分析:2点を取るパターン
1試合(9イニング)で合計2点を取るパターンは、大きく分けて2種類あります。
パターン A: 2点を1つのイニングで取る
- 1イニングでちょうど2点を挙げ、残りの8イニングは全て0点に終わる。
- このとき、2点を取るイニングは、9イニングのうちのどの1イニングかを選ぶ必要があります。
パターン B: 2点を2つのイニングで取る
- 2つのイニングでそれぞれ1点を挙げ、残りの7イニングは全て0点に終わる。
- このとき、1点を取る2つのイニングを、9イニングの中からどの2イニングかを選ぶ必要があります。
3. 計算
A. 1イニングで2点取る確率
まず、1イニングでちょうど2点を取る確率を、与えられた表から求めます。
\(P(2点)=5.16%=0.0516\)
そして、この2点を取るイニングが1イニングから9イニングあるので、パターン数は9通りです。
\(P(パターン A)=9×[P(2点)×P(0点)^8]\)
\(P(パターン A)=9×[0.0516×(0.7852)^8]\)
\(P(パターン A)≈0.0671\)
B. 2つのイニングで1点ずつ取る確率
このパターンでは、9イニングの中から1点を取る2つのイニングを選ぶ方法を考える必要があります。これは組合せ(Combination)で計算します。
\(9イニングから2イニングを選ぶ組合せ=9C2=(9×8)/2=36通り\)
次に、特定の1パターンの確率を計算します。
\(P(特定の1パターン)=P(1点)^2×P(0点)^7\)
\(P(パターン B)=36×[P(1点)^2×P(0点)^7]\)
\(P(パターン B)=36×[(0.1249)^2×(0.7852)^7]\)
\(P(パターン B)≈0.1033\)
4. 最終的な確率
「1試合でちょうど2点」しか取れない確率は、パターンAとパターンBの確率を合計したものになります。
\(P(1試合で2点)=P(パターン A)+P(パターン B)\)
\(P(1試合で2点)≈0.0671+0.1033=0.1704\)
したがって、1試合でちょうど2点しか取れない確率は、約 17.04% です。
✅ 結論:2点の重み
事象 | 確率 |
1試合で0点 | 11.35% |
1試合で1点 | 16.24% |
1試合で2点 | 17.04% |
この結果から、1試合で1点以下のよりも「1試合で2点しか取れない」確率のほうが高いことが分かりました。
1試合で2点の公式
\(P(1試合で2点)=9×[P(2)×P(0)^8]+36×[P(1)^2×P(0)^7]\)
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