データの「集計」から「分析」へ!SQL経験者のためのR入門

🤝 共通概念と学習の加速:SQL経験者がR言語を容易に習得できる理由

SQLは、データの抽出(SELECT)フィルタリング(WHERE)集計(GROUP BY)などの操作を通じて、データ操作ができます。R言語、特にその中核パッケージであるtidyverseを使用すると、SQLで培った概念はそのまま適用可能です。

R言語のdplyrパッケージは、SQLの命令文に対応する関数を提供しています。例えば、SQLのSELECT columnはRのselect()に、WHERE はRのfilter()に、GROUP BYgroup_by()に直接対応します。SQL経験者はR言語のデータ操作を極めて迅速に習得することが可能です。


💡 R言語が提供する分析上の優位性

SQLはリレーショナルデータベースにおける大量データの管理と集計に最適化されていますが、R言語は、そのデータを「分析に適した形に変形」し、「高度な統計的洞察」を導き出すことに特化しています。

  1. データ整形(Tidying)の柔軟性
    R言語のtidyrパッケージは、SQLでは複雑なUNION ALLやCASE文を多用しなければならない「ワイド形式からロング形式への変換(ピボット)」を、pivot_longer()という単一の関数で簡潔に実行できます。分析やモデリングに適したデータ構造を効率的に作成できることが、Rの強力な優位点です。
  2. パイプ処理による高い可読性
    R言語のパイプ演算子 は、「このデータにこの処理を行い、その結果に次の処理を行う」という一連の処理を、上から下へ、論理的な流れのまま記述することを可能にします。これにより、処理のネストやサブクエリで構造が複雑化しがちなSQLと比較して、コードの可読性が飛躍的に向上します。
  3. 高度な統計解析と可視化
    SQLが基本的に記述統計(集計)に留まるのに対し、R言語は線形回帰、時系列分析、多変量解析といった統計的モデリングに特化した豊富なライブラリを備えています。また、ggplot2による高品質でカスタム性の高いグラフィックスは、分析結果を説得力のある形で視覚化するために不可欠です。

まずは、基本的なSQL文をR言語でどのように記述するのかを解説していきます。

STEP1.単独テーブル

STEP2.複数テーブル

副問い合わせ(サブクエリー)